なすときゅうり

お盆によく見るきゅうりとなすの飾り物。
あれは何か皆さんはご存知ですか?

きゅうりとなすは馬と牛に見立てられ、それぞれ「精霊馬」「精霊牛」と呼ばれます。
どちらもお盆にご先祖さまが行き来する乗り物として、作られています。

諸説ありますが、馬は足が速いから、ご先祖さまがあの世から早く家に帰って来られるように。
牛は足が遅いから少しでも遅く、のんびりとあの世に帰っていけるようにとしたと言われています。
また、お盆期間にご先祖さまを供養するお供え物など、沢山のお土産を持ち帰ってもらえるように牛にしたという説もあります。

いつ飾るのか、どちらに向けたらいいのかとよく聞かれます。
これも諸説ありますが、8月13日の朝に精霊棚を飾り、または仏壇でも結構ですので、その前に馬を位牌の方に向けて、牛を外に向けて置いて飾ってください。

そしてそれと同時に、13日にはご先祖さまが帰って来る家に迷われないように、家の門口や庭先で迎え火を炊きます。
15日には「また来年も来てください」との想いを込めて、今度は送り火を炊いてご先祖さまをお見送りしてください。

いずれにしろお盆は、大切なご家族のお精霊さまと、数えきれないご先祖さまをお迎えし、供養する大切なひと時です。
今年のお盆は、自分の地域のお盆の風習について少し考えてみたらいかがでしょうか。

「送り火や 今に我らも あの通り」小林一茶